購入できます | ■そうだったのか!日本現代史 ■著者 池上 彰(NHK報道局記者主幹) ■集英社 刊 ■税抜き1700円 ■お奨め度★★★ 近代日本史を理解しておきたい方向け NHKの「週間子供ニュース」メイン司会者とあって、わかり易さに期待した。歴史書。 現在までに起こっている様々な未解決事項(自衛隊は違憲なのかどうか、水俣病、日米安保、バブル経済の遺恨)などについてやや詳しく書かれている。 現実に起こっている様々な事象は、原因や経緯を知ることで理解を深めることが出来、さらには解決策や、方向性が見えてくる筈ではないのか、といった視点で書かれている。その姿勢には諸手をあげて賛成したいところだ。 NHKの記者らしからぬ突っ込んだ発言も見え隠れしており、関心深い。現在の経済低迷についても、歴史を通して判りやすく原因をあぶり出している。 ただ、本の大きさがB4版?とやや大きく、持ち運びにはやや不便だ。巻末の「参考図書」一覧は有難い。 | ||||||||
購入できます | ■ジャックウェルチ「我が経営」上 ■著者 ジャックウェルチ ■日経BP 刊 ■税抜き1600円 ■お奨め度★★★ 下巻を理解する為に必ず必要 自伝。おそらくほとんどノンフィクションだと思われる。 この本でのキーワードのひとつは「母」と言えるだろうか。彼の気質を醸成している「母」の厳しさや優しさは、ジャック氏を理解する上で欠かせないと言えるだろう。世界の冠たる超巨大企業「GE」。その社長を務めた彼は青少年時代をどのように過ごしたのか、どのような経緯でGEに入社したのか、まさにイントロダクション(導入部分)と言える。 上巻はさらっと読み流しても良いと思われるが、下巻を理解する土台になると言う意味で必ず一読しておきたい。 | ||||||||
購入できます | ■ジャックウェルチ「我が経営」下 ■著者 ジャックウェルチ ■日経BP 刊 ■税抜き1600円 ■お奨め度★★★★ 「シックスシグマ」を理解できる1冊 自伝。忙しい合間に書いた事が伺え、途中途中で話題転換が不自然に感じる。ノンフィクション。 下巻のキーワードは「官僚体質」や「シックスシグマ」と言える。特に「シックスシグマ」という妙なキーワードはGEの全社を通して徹底して浸透され、企業業績を最高に高めている。シックスシグマとは仕事に対する考え方の一つで、品質を高める、顧客の立場を基に考える、などのさまざまな要素からなる。この「シックスシグマ」を理解しないと下巻は読みづらい物となっている。 シックスシグマについての本はさまざま出版されているようだが、それらを事前に読む必要は無い。だがシックスシグマの意味を理解し損ねて読み進めてしまうと、最後の最後まで本意を汲み取れない結末となるだろう。 世界最強企業「GE」のCEOが日本をどのように捉えているのか、考察も記されている。この点も興味深いと言えるだろう。いつまでも書店の店頭に置かれるなど、数ある書物の中でも息の長い書籍となっている。 | ||||||||
購入できます。 | ■「外貨の常識」 ■著者 藤巻 健史(債権・為替ディーラー) ■日系BP社 刊 ■税抜き1600円 ■お奨め度★★ 1度読めば良し。 私はこの本を、題名に惹かれて買ったが期待外れだった――、というと皆さんがっかりするだろうか。ノンフィクション。 実はこの本、藤巻氏が常々自説をFAXで業界関係者へ流していた、その集大成なのである。元モルガン銀行東京支店・支店長だった彼は債権・為替市場では大変有名な日本人とされている。 外資の人たちはどのように経済を捉えているのか、どのような思考回路を持つのか、どのような運用を行うのか、といった事はさわりしか書かれていない(笑)。代わりに彼の日常やそれに絡んだ職場の楽しい雰囲気が伝わってくる。 繰り返し言うが為替や債券市場の専門的な見解はほとんど出てこないが(まったく出てこないわけではない)、彼の職場の雰囲気を感じたいならば一読をお勧めする。 | ||||||||
購入できます | ■「ウォルマート」〜世界最強流通業の光と影〜 ■著者 ボブ・オルデカ(現ウォールストリートジャーナル記者) ■日経BP社 刊 ■税抜き2000円 ■お奨め度★★★★★ 誰が読んでも興奮する 私はこの本は偶然手にしたが、立て続けに3回読み返した。私が小売業を始めたいと思ったほど、この本は興味深い。ノンフィクション。 世界最大の小売企業、ウォルマートの創始者サム・ウォルトンを筆者が追い続けた集大成となっている。小売業の経営者はほとんど読んでいると思われる。大きな本屋さんで探してみるがなかなか見つけられない。 サムが若かりしころ小さな粗末な小売店を出店しつづけて失敗や成功を重ね、ついには自分のお店を作り上げていく様が克明に記されている。安さ追求のために海外の、字の読めない少年に作らせた低コストのものを輸入するなどアメリカ国内での問題にも絡んでかかれており、非常にその点でも学ぶべき点が多い。サムのマネをする小売業が当然のように日本でも行われている。 | ||||||||
購入できます | ■「円の支配者」〜誰が日本経済を崩壊させたか〜 ■著者 リチャード・A・ベルナー(現在上智大学講師) ■草思社 刊 ■税抜き2000円 ■お奨め度★★★ 日銀を詳しく知りたい人向け この本は筆者が長い間追い続けた日本経済の仕組みをかなり独自な視点で記している。 特に日本経済の動向と日銀の動向をリンクさせており、両者は切っても切れない関係にあるという。つまり日本経済は日銀によってコントロールされていたとする問題の書。 問題といっても良い意味での問題提起であり、日銀の構造や仕組み、歴史などを詳細に学ぶ事が出来る。 経済書では有るが歴史書に類するものとも取れる。むつかしい経済用語も極力やさしく務め上げようとしている所に好感が持てる。2000円は高い感じもするが、明らかにされることがない日銀を知ることができる。読んでおいて損は無い良書と言えよう。だが鵜呑みは注意が必要だ。 | ||||||||
購入できます | ■「けじめをつけろ」〜中坊公平の終わりなき闘い〜 ■著者 藤井 良広(現日本経済新聞社記者) ■日本経済新聞社 刊 ■税抜き1500円 ■お奨め度★★★★ 正義を貫く男の戦い 弁護士、中坊公平氏が整理回収機構(RCC)の社長に就任した時の出来事を纏め上げたノンフィクション。 バブル時に住専(住宅金融専門会社)が担保を軽視した無責任な貸し付けを行い、回収不可となったお金を、代わりに回収することを目的とするRCCが血と汗と涙で債権回収を進める。その陣頭指揮をとる中坊氏の姿を追う。 時には政治家、時には銀行、時には悪徳業者を相手取って債権回収を行う。相手はもとより身内も追い詰め、厳しく叱咤を繰り返す。国民の血税を極力使わないように努力する、彼をはじめとした整理回収機構の不良債権回収劇にバブル崩壊の厳しさを見る。 | ||||||||
| 購入できません ■「株式投資 入門の入門」 | ■著者 奥山 泰全(コンサルティング) ■東洋経済新聞社 刊 ■税抜き1400円 ■お奨め度★ 初心者向け 基本的な項目を広く浅く示しているが、主観的?な主な事項を並べてある。個人的にはあまりお勧めはしない。巻末にテクニックを示しているが、テクニックを知る事はもちろん参考になるが、真似することはお勧めできない。 株の売買に関するテクニックは実に多種多様で、この方法だったら儲かる、という楽な道はない。よく言われる所では相場参加者が多く使うテクニックを真似れば相場がその方向に進むというもの。ただ相場参加者がどのテクニックを参考に売買しているか個人では伺い知れないし、テクニックが判った所で自分がその売買方法を取れるかどうかは定かではない。 図書館で読めれば、売買の基本的な項目を読み流す程度でよいだろう。
| 購入できます ■「入門の入門 ”株”の仕組み」 | ■著者 杉村 富生(ジャーナリスト・エコノミスト) ■日本実業出版社 刊 ■税抜き1300円 ■お奨め度★★★★ 初心者向け 数多くの入門書が発売されているが、この本は非常にお勧めしたい。 非常に判りやすい文章で進められており、所々に絵が毎ページに挿入されて読み進めやすく頭にも残りやすい。非常にお勧めできる入門書と言える。経済情勢の変化に合わせて何回も改版されており、好調の入門書のようだ。 大変広い範囲を浅く述べてあり、どこの理解を深めたい、どこが理解できていない、など、自分の知識の偏りを一目瞭然で判別できる。挿入してある絵が文章に花を添え、難解さを和らげている。これから株取引を始めたい、という人にはぜひともお勧めしたい1冊だ。 |